「福井駅前賞」について

「福井駅前短編映画祭」には2021年から「福井駅前賞」というのを作っています。その賞の副賞が、

「来年のふくいムービーハッカソンの監督をお願いされる権」

なのです。

ふくいムービーハッカソンは、市民参加型の映画制作プロジェクトです。2016年から実施していますが、いうなれば「全員素人」でもあります。その場所に一人で飛び込んで映画を作る、というのは、監督にとってはかなりの勇気が必要です。というか“無茶振り”のような副賞で…。

映画というのは一人で作ることはできません。役者がいて、監督がいて、カメラマンがいて、録音がいて、照明がいて、周囲との折衝もあって、と、とにかく大勢で一つの作品を作り上げるものです。

ですから、「福井駅前賞」という賞を授与する際に決めていることがあります。それは“コミュニケーション力”とでもいいましょうか。初めて訪れる場所、初めて出会う人、そういう人たちと一つのものを作るというのは、かなりハードなことです。とは言いつつも、ムービーハッカソンは「いい作品をみんなで作ろう」という意識の高い人たちが集まっているので、すぐに察知して動く人たちばかりが集まっています。

たった1日、前夜祭も含めると2日間、それもそこまで話し込んでいない監督さんの中から、どうやってコミュニケーション力の高そうな人を選択するか、ということですが、その一つが

「目」

です。人は人と会話をするときに、目を見つめ合って話をします。コミュニケーション力が高い方は当たり前な話かもしれませんが、それが苦手、という方もたくさんいます。苦手な方はやはり目を背けながら話をします。先ほども言いましたが、映画とは大勢の人で作り上げるものですから、さらにムービーハッカソンという特殊な舞台でお願いするのですから、「福井駅前賞」に関してはそうしたコミュニケーション力を重視しています。

すでに「福井駅前短編映画祭」にノミネートされた時点で、皆さんの作品は優秀賞として表彰されます。つまり、作品のレベルとしては高いところにあります。あとはこの特殊な環境で一緒に愉しんで作ってもらえるか、を意識してきました。

その記念すべき賞を最初に受賞したのが、関寛之監督でした。そして翌年ムービーハッカソンに来ていただき、制作した作品「ふ、」は、アメリカ、シンガポールなど、国外の映画祭でも上映され、賞も受賞するほどに!

翌年の沖田かおり監督作品「super sunset」も、国内の映画祭、映像祭でノミネートされました!

さらに翌年の福田茜監督作品「SWEET SILLY DANCE NIGHT」は、今年6月に行なわれた「ハンブルグ日本映画祭」で上映されました!

映画作りの素人集団を率いての制作はとても大変かもしれませんが、福井の人はとにかく「職人気質」ですので、ものづくりに関しては一所懸命な性格を持っています。映画もまた同じことだと言えるでしょう。

その関監督の新作「そこまで一緒に。」が、今年の「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」にノミネートされました。福井の映画づくりに関わっていただいた方が評価されるのは純粋にうれしいです。

今年もムービーハッカソンは行ないます。今年の監督は、映画祭初の、グランプリと駅前賞を獲得した加藤也大監督です。9月13日~15日、エキマエを中心に撮影しています。

出来上がった作品は今年の福井駅前短編映画祭でも上映されますが、クラウドファンディングの返礼品であるDVDにも入ります。現在もクラウドファンディングは行なわれています。是非応援もよろしくお願いします。

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