[widetext]KOKONI IRUYO[/widetext]
早川涼(24)は、ネットカフェに寝泊まりしながらAVギャルのスカウトで一攫千金を目論むチャラ男。6年前に郷土秩父を出て以来、両親とは音信不通。ある日、思わぬ偶然から帰郷し、謎の少女と出会う。少女とともに思い出の地を巡るうち、忘れてしまったかつての夢を思い出す。久しぶりの実家、そこで知る少女の正体とは?
[widetext]Gozen 3jino Restaurant[/widetext]
午前三時に毎夜ふたたび開く料理店。
午前三時のメニューはひとつだけ。
午前三時には誰も来ないが
午前三時のある日、お客が入って来る・・・
[widetext]KIYUMI’S POETRY AND[/widetext]
[widetext]SAYURU’S EMBROIDERY[/widetext]
キユミにとつて詩を書く事は「枯れた枝に落ら葉を付けるようなもの」らしい。
「決して水はやらずに、花が咲くのも期待せず、本来あった場所にそっと戻してあげる」ように言葉を置くのだそうだ。キユミがひとつ詩を書くたびに友人のサユルは虹色の詩集ノートを包むカバーに葉の刺繍を施している。初秋から晩秋へと移りゆく風景のなかで思春期特有の繊細且つ複雑な心のありようと圧倒的なオ能の残酷さを描いた物語。
[widetext]Anohoshinonawa[/widetext]
天文学を学んでいた新山みちる(19)は、突然の父親の死による経済的事情から、大学を辞めざるを得なくなる。そんな姉の姿を見ていた弟わたる(10)は、何とか姉を元気付けようと、父親を見付け出そうとする。夜空に輝く星に、今は亡き父親の姿を重ねる姉弟の姿。幾千の星の下にある幾つもの家族の形。瞬く星の下で輝く、家族愛の物語。
[widetext]Akabeko[/widetext]
母の出産のため、祖父母の暮らす会津に来ている6歳のミカ。誰からも相手にされない腹いせに、産まれてくる赤ちゃんのお守りとして飾られた赤べこを持ち出して家出をするが、そこに謎の女が現れる。